等身大
「等身大に在る」ことの希少さは、
学校教育を受けている間は、あまり自覚していなかった。
むしろ背伸びをしてでも掴めるものは掴まないと、
と、自分の心をそっちのけに、ずっと焦っていた。
多分、それがその時の私の等身大の姿だった。
幼い頃は、幼いなりの心で、
大人になれば、その歳や経験にふさわしく。
以前、手越くんがラジオか何かで
「昔の曲を今歌ったら、今のほうが技術的には上達しているけれど、
あの頃の自分より上手くは歌えない」というような話をしていた。
久しぶりに彼の歌声を聞きながら、その話を思い出した。
今このときが旬。
表現者を見ていると、それを鮮烈に感じる瞬間がある。
今シーズンに向けて、宇野昌磨選手は脱皮を始めた。
早くも試合が待ち遠しい。
等身大に成長していく姿が眩しい。
私もそれに負けるまい。