この手
誰かを打つ手は、自分を強く打つ。
本気で打ったときにそれが分かった。
この手で握るときも、打つときも、いつ何時人生の交差点で交わったときも
本気で臨む。この手を決して後悔させない。
そのために真っ直ぐに走るのだ。言葉を選ぶのだ。痛みながら自らを研磨するのだ。
生きる
ウィルス騒ぎは、色んな物事を早送りにしていく。
政府も、相場も、職場も、生活も。
人が人を語るとき、
三つ子の魂百まで、などという。
人生において、ビジネスにおいて、一度ついたバッテンは消えない
30を過ぎれば、諦めも入る。
物事は早くなっても、人そのものはゆっくりしたものだ。
だけど成長が鈍い歳になっても山はあり谷はあり生がある。
悪心に揺れることも、正解のない迷路に入ることも、ある。
失敗、バッテン、取り返しのつかない毎日があり、
明日戦い明日戦い、成長する瞬間は生きている限りある。
歪な道を肯定しよう。
歪な人生を受け入れよう。
100年は長い。
長く長く生きることを前提にあがき続ける以外、
何ができる。
夏の名勝負
甲子園を見るようになるとお盆が終わる。
決勝戦ではないし、明日も甲子園は続くのだが、
何だか「今年の甲子園」を丸ごと味わったような、素晴らしい戦いだった。
ヒットで上回りながらも守備でエラー、攻めで盗塁失敗と、はらはらの星稜の攻め。
一方、奥川投手に押されながら、1点をもぎ取って何度も好守を見せた智辯。
途中からは池田投手と奥川投手の投げ合いになった。
どちらも凄いピッチャー。
印象に残ったのは、延長に入り打者奥川選手に投げた池田投手の笑顔だ。
これまでポーカーフェイスだった彼が、とても楽しそうに笑った。
奥川投手もいい顔をしていた。
下心が何にもない、戦いそのものが楽しいという顔。
解説の人が、「いい雰囲気ですね」とコメントをする。
勝つか負けるか、今ひとときを懸けて戦いながら、
とても美しい時間が訪れることがある。
どちらのチームも応援しながら、おすそ分けをもらったような気分。
いい夏の一日だった。