見巧者
インターネットで、さまざまな人が呟く。
世には「見巧者(みごうしゃ)」という言葉がふさわしい方もいて、
私は8年近く前から、そのひとりを知っている。
実は会ったこともない、話しかけたこともない、一方的な知り合い。
その方はツイッターで自分の見た舞台を呟いている。
インターネットはすごいなぁと思う。
無粋な話だが、自分の現実において、
年に一千万以上舞台に投じるような人には、
そしてそれを真っ当に楽しんでいる人には、
そうそう出会わない。
歌舞伎、能、現代劇、古典劇、ミュージカル、ダンス、
フィギュアスケート、ジャニーズまで。歌と踊りがあればどこまでも広く見る。
その方の、生モノに対する感性と、深い教養に根ざした眼差しが好きだ。
こっそり自分のアンテナにさせてもらっている。
で、気になるものがあったら自分の可能な範囲で、見に行くのだ。
その人がいいというなら、自分にとってもいいかもしれない。
ので、実際に行って確かめる。
「合う」ものもあれば「合わない」ものもある。
自分でお金を払い、足を運び、ひとつひとつ確かめていく。
「合う」と、ちょっと嬉しい。
見巧者に導かれながら、世界が広がる。
会わない、話さない、でも、いい影響を与えてくれた出会いだった。
いつまでもその方が元気で楽しまれているといいな、なんて
勝手に願っていたりする。