一より始めよ
積んだ仕事をせっせと棚卸した。
気づいたことがあった。
私は脳を省エネで使うことに慣れていた。
検索して分かることなら覚えない。一生ごとでないなら覚えない。
人間の顔にも、名前にも、経歴にも、社内政治にも、興味がない。
そのような範疇外はPCに任せておけばよい、それでいい、と思っていた。
大きな間違いだった。
人脈、段取り、効率、深く考えること、瞬間の判断、
全て私個人に蓄積した記憶に依存している。
すぐに取り出せる知恵の泉を抱くことの大切さは、機械の進化と矛盾しない。
人間に求められる普遍的な能力が、機械が便利になることで変質することはない。
大きな泉。