夏の名勝負
甲子園を見るようになるとお盆が終わる。
決勝戦ではないし、明日も甲子園は続くのだが、
何だか「今年の甲子園」を丸ごと味わったような、素晴らしい戦いだった。
ヒットで上回りながらも守備でエラー、攻めで盗塁失敗と、はらはらの星稜の攻め。
一方、奥川投手に押されながら、1点をもぎ取って何度も好守を見せた智辯。
途中からは池田投手と奥川投手の投げ合いになった。
どちらも凄いピッチャー。
印象に残ったのは、延長に入り打者奥川選手に投げた池田投手の笑顔だ。
これまでポーカーフェイスだった彼が、とても楽しそうに笑った。
奥川投手もいい顔をしていた。
下心が何にもない、戦いそのものが楽しいという顔。
解説の人が、「いい雰囲気ですね」とコメントをする。
勝つか負けるか、今ひとときを懸けて戦いながら、
とても美しい時間が訪れることがある。
どちらのチームも応援しながら、おすそ分けをもらったような気分。
いい夏の一日だった。